議会活動・活動報告バックナンバー

[2001年9月号]

 
■65歳は高齢者か
〜今や人生80年、60・70は元気盛り〜


 今月の9日、15日、16日には、市内の各地で自治会主催の敬老会が催され、私も何カ所かお招きをいただきました。そこで、いつも思うことは、65歳は高齢者なのか、70歳以上を高齢者とすべきではないかということです。

 戦前はもちろんのこと、戦後もしばらくは人生50年と言われました。子どもを成人させるまでなんとか生きていなくてはと思った人も多かったといいます。事実、平均寿命の統計が出だした1947年の男性の平均寿命は50歳、女性は54歳でした。昭和30年の新聞でも50歳以上の女性は老婆と呼ばれたほどです。しかし、医学の進歩、栄養の改善などのおかげで時代とともに平均寿命は延び続け、女性は世界一の長寿で85歳ですし、男性も世界一の77歳で80歳に近づきつつあります。今や人生80年と言われるゆえんです。

 ところで、この人生80年の時代に65歳以上の方を一律に高齢者として扱い、例えば敬老会の案内状を出すことが適当かどうか。そもそも65歳以上を高齢者とした理由の一つは、1960年(昭和35年)の国連の問題提起にあると察せられます。全国民の中で65歳以上の方々の占める割合を算出し、7%以上を高齢化社会、14%以上を高齢社会、そして25%以上を超高齢社会と位置づけ、各国の高齢化社会への対応を求めたからです。そして、我が国は1970年に高齢化社会になり、6年前に高齢社会になり、2015年には4人に1人が65歳以上の超高齢社会になると予想されております。
 しかし、国連が65歳以上を高齢者とし、高齢化社会の問題提起を行った1960年、日本の男性の平均寿命はまさに65歳であり、ちなみに女性は70歳でした。我が国の場合、男性の平均寿命以上を高齢者と言えるとするならば、今日、77歳以上が高齢者ということになります。平均寿命が延びるにつれて、高齢者に該当する年齢を高めていくべきです。今後とも統計の上では65歳以上ということが続くものと考えられますが、社会通念上、もはや60代は高齢者とは言えない、少なくとも70歳以上を高齢者とする時代がきていると思います。

 自分は年寄りではないと、敬老の日の祝い事を断る70代、80代の方が大勢います。65歳から69歳までの女性の方で、自分が高齢者である、お年寄りであると思っている方はほとんどおりません。65歳になったある男性が、敬老会の案内状がきてうれしいどころか、非常にがっかりしたとおっしゃっています。これでは、高齢者の長寿をお祝いする敬老会の意味が半減してしまいます。5年前から敬老祝い金の対象年齢も70歳から75歳に上がっております。敬老会の対象年齢も70歳以上に切り上げるべきであると考えます。
 このことは、敬老行事を開催する自治会等に対し、敬老行事交付金として交付されている金額の算定基礎を変更することも意味します。現在、65歳以上1人2,000円で交付金額を決定していますが、70歳以上の人数で計算することになります。これによって年間5,000万円前後の予算が浮くことになり、他の高齢者福祉施策に充てることも可能となります。
 国や県の政策においても、65歳以上を画一的に高齢者として扱うのではなく、ケースバイケースで柔軟に対応すべきであると考えます。


西尾憲一
西尾憲一の願い 個人の尊厳・人格の尊重ということを考え方の根本にすえて、高齢者や障害者などの社会的弱者にも配慮した自由主義社会の実現、千葉県の発展、船橋市民の幸せのために全力を尽くします。