議会活動・活動報告バックナンバー

[2005年3月号]

■体験教育の推進を

 今日、少子高齢社会の到来、産業経済の構造的変化や雇用の多様化・流動化等を背景として、就職・進学を問わず子どもたちの進路をめぐる環境は大きく変化してきています。
 一例をあげますと、平成15年3月、全国の高等学校を卒業した生徒数は、約128万人で、その内、約94万人が大学・専修学校等の進学、約21万人が就職、そして約13万人がフリーター及びニート(15歳〜34歳までの人のうち、職業にも学業にも職業訓練にも就いていない人)という状況であると聞いています。
 また、大学生に関しては、平成15年3月大学卒業者のデータによると、卒業者は、約54万人、その内、約6万人が大学院等へ進学し、約30万人が就職しました。しかし、フリーターが約2万5千人で、ニート及び不詳の者が約15万人もいたと言うことです。
 つまり、卒業者のおよそ10人中3人が、フリーターやニートという結果でした。これは、非常に深刻な問題であると考えています。
 千葉県においても、昨年3月の高等学校卒業者のデータによると、卒業者5万3千人の内、大学・専修学校等の進学者約4万人、就職者6千人、そして、卒業生の約1割の約5千7百名がフリーター及びニートという状況でした。
 このような、若者の就業に関する状況は、一概に、経済の低迷等だけが原因ではなく、若者の勤労観、職業観の未熟さをはじめ、コミュニケーション能力や対人関係能力、基本的マナー等、職業人としての基礎的資質、能力の低下が考えられます。
 このような課題を解消するために、子どもたちが「生きる力」を身に付け、社会の激しい変化に流されることなく、将来、社会人・職業人として自立していくことが出来るようにする教育の推進が必要だと考えています。
 そのためには、ボランティア活動や職場体験活動等が大変有効であると考えます。実際、ボランティア活動を学校の単位として認定する高校・大学が少しずつではありますが増えてきています。そこで、県教育委員会に、中学校・高等学校に体験教育を積極的に取り入れていくよう今後とも強く働きかけて参りたいと思います。