議会活動・活動報告バックナンバー

[2005年11月号]

「ノーテレビデー」の推進を

 9月23日の朝刊をご覧になって、ショックを受けた方も多かったのではないでしょうか。小学生の校内暴力が急増していることを新聞各紙が報じたからです。中学・高校生の校内暴力は減少し沈静化の傾向が見えるのに、小学生の校内暴力は歯止めがかかるどころか逆に増えているからです。中でも教師への暴力が3割以上も増えているとのことです。
 教育現場からは、子どもたちの「コミュニケーション能力の欠如」や「親の子育て放棄、家庭で父親らが暴力を振るっているなど、家庭の問題も影響している」、「暴力シーンが登場するテレビやゲーム、漫画などの影響もあるのでは」と指摘されているとのことです。

 小学校が荒れてきているのは事実であり、学校も家庭も、もっともっと危機感を持って対処すべきではないでしょうか。
 小学校へのスクールカウンセラーの配置や派遣の充実などが必要であると思います。
 一方、家庭でも、親の児童虐待や配偶者間暴力は、何としても止めてもらわなくてはならないのは勿論のこと、暴力シーンが登場するテレビやゲーム、漫画などを子どもの好き放題にさせないことが必要だと思います。
 私は、3年前の12月議会で、千葉県は、昭和42年から毎月第3日曜日を「家庭の日」と定めており、「家庭の日」を再度認識し直し、家族が心を通わせるきっかけづくりになるように進めていくべきではないかという質問をさせていただきました。
 その際、他県では、家庭の日を「ノーテレビデー」として、この日はテレビを消して家庭の団欒を呼びかけているところもあり、本県も検討してみてはと訴えましたが、未だ実施に至っておりません。
 ところが、県内の市原市では、子どもが加害者になる悲惨な事件の増加を受けて、4月に教育研究集会を開き、テレビゲームやテレビを長時間見ることで脳の発達を妨げる危険性もあることを受け、長時間のテレビやゲームを控える機運が高まったとのことです。
 早速、その一つ市原市の戸田小学校では、5月6日から土曜日を「ノーテレビ、ゲームデー」に指定し、テレビやテレビゲームの時間を読書や屋外での遊び、家族との対話の時間に充てるよう指導したとのことです。
 その結果、本の貸し出し数が、昨年5月の1人5.7冊だったものが9.8冊に上昇し、子どもたちの読書意欲が高まったとのことです。また、算数の基本学力調査でも全学年で目標数値を上回る結果が出たとのことで、親と話す時間も多くなっています。
 林校長は、平日もテレビやゲームの時間を減らせるように保護者と話し合いたいとまでに、積極的に評価をされております。

 子どもたちのメディア接触の時間を調査した結果がありますが、テレビ、ビデオだけでなく、携帯、ネット、パソコン等を含めてですが、平日で1日4時間以上接触している子どもが、中学生で54.4パーセント、小学生で49.6パーセント、6時間以上が中学生では24.4パーセント、小学生で26パーセントもいるとのことです。成長期の最も大切な時期に、本も読まず、外にも出ず、人と会話もせず、メディアに接触してばかりの生活をしている子どもたちの心も体もコミュニケーション能力も発達に非常に大きな影響を受けることは明白です。このような状態をこのまま放置していると2〜30年後、この国がどうなるか大変心配です。現に増えているニートやフリーターの要因の一つにあげる声もあります。

 「ノーテレビデー」の実施について、県としても取り組むべきであると同時に、多くの家庭で、「ノーテレビ・ノーゲーム」の取り組みが行われるよう、県教育委員会として、親や学校に働きかけるべきであると考えます。