議会活動・活動報告バックナンバー

[2006年2月号]

千葉県も「もったいない運動」を

 昨年の9月議会一般質問では、世界の食糧問題や飢餓問題も視野にいれて食育を推進して欲しい旨を取上げました。すなわち、富める国の人々は食べ過ぎで糖尿病や高脂血症・高血圧などで死期を早め、アジア・アフリカでは8億4千万人が飢えで苦しんでいる。これほど大きな矛盾はない。矛盾の最大の原因は広い意味での飽食、狭い意味の食べ過ぎと食べ残しにある。
 そこで、学校教育の食育の内容に飽食の問題を加えてはどうか。世界の多くの人々が飢餓線上にあるという食糧事情を年齢相応に教えるべきではないか。社会人に対する食育にも、食べ過ぎ・食べ残し、世界の食糧事情の視点を入れて取り組むべきではないか。と、質問させていただき、教育長や農林水産部長から前向きに取り組むとの答弁を頂いたところです。
 また、質問の後、堂本知事からも直接電話があり、食べ残しの量のあまりの多さに驚かれた様子で、もっと知りたいとのことでしたので、後日参考資料をお渡ししました。
 すなわち、食べ残しについては、残念なことに日本は世界で最も多いことを深く恥じ入らなくてはならない。食品産業関係からは1,131万トン、家庭からは約1,000万トンで、合計2,125万トンの食品ゴミが捨てられているとのこと。これは、世界の年間食糧援助量1,000万トンの2倍以上である。アメリカでも、食糧の40〜50%が無駄に捨てられ、経済損失は約1千億ドル(約10兆7,000億円)に及ぶとする推計結果もある。しかし、日本では、家庭を含めると約11兆円分の食べ残しがあるとの政府試算もあるのだ。
 今、政府は、地球温暖化防止のために、クールビズやウォームビズなどと電気やガソリン、ガスなどのエネルギーの浪費をしないことを国民に強く求めている。とするならば食べ物や食品以外の物も浪費をしないこと、大切にすることも強く求めるべきではないか。両者の根は一つだからだ。限りある資源やエネルギーを大切に使い人類が等しく恐怖と欠乏から免れ、そして恒久にこの美しい豊な地球に住み続けることができるようにすることが、人類共通の願いだからである。
 昨年、「もったいない」という日本語の精神を称賛し再認識させたのは、2年前ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境副大臣、ワンガリ・マータイさんだ。マータイさんは、「もったいない」を環境保護・物を大切にすることの世界の合言葉にしようと呼びかけた。
 この呼びかけに、国内でもいくつかの自治体が動き出し、福島県議会は昨年7月に「もったいない運動ふくしま宣言」を全会一致で決議した。また県内でも、松戸市が昨年11月に「もったいない運動」推進本部を設置。12月には、「もったいない大使」を任命し、川柳や作文コンテストなど市民参加型のイベントを多数企画し、「もったいない」精神の市民への拡大を図っている。
 物や食べ物があふれ簡単に捨てられていく今日だからこそ、自分以外の物や命も大切なのだと教えていく必要があるのではないでしょうか。千葉県としても「もったいない運動」に真摯に取り組むべきであると考えます。