議会活動・活動報告バックナンバー

[2006年5月号]

女性用トイレの増設を

 風薫る5月、美しい新緑に誘われてお出かけになる予定の方も多いと思います。本県は、首都圏にあって温暖で豊かな自然を有しているため、年間を通して多くの観光客が訪れます。さらに海外の玄関口である成田空港を有していることから、国際性に富んだ特色・特徴があり、多くの外国人も訪れ、安全で安心かつ快適に生活できるまちづくりを行っていくことが重要であると考えます。
 また、子どもが健やかに育ち、子育てに喜びや楽しみを持ち、安心して子どもを生み育てることの出来る社会を実現するため、「まちづくりやものづくり」にこれまであまり顧みられなかった妊産婦や幼児連れなどの立場からの取り組みが求められています。
 11月10日は「トイレの日」だそうですが、それに合わせて、昨年秋、衛生機器メーカーのTOTOがトイレにまつわる川柳を初めて募集したところ、1万3千を超える作品が寄せられた中で、次の作品がありました。「オバサンに男子トイレでせかされる」。光景が目に浮かびますが、同様の経験をされた男性の方も多いのではないでしょうか。因みに、最優秀作は、「一生で最も世話になる小部屋」だったそうです。
 人が多く集まる大規模集客施設や観光地などでは、障害者用トイレは整備されつつありますが、特に女性用トイレは長蛇の列ができ、数が不足している状況が見受けられますし、子供のオムツ替えのできるベビーベッドなど、まだまだ十分に整備されているとはいえません。
 昨年5月、ニューヨーク市議会で、公共施設などのトイレについて女性用の個室を男性用の2倍にする条例が可決されました。デパート、劇場、野球場、どこでも女性用トイレは男性用より長い列ができます。個室の数は、これまで男女同数であることが求められてきました。しかし、これは実態を無視した悪平等といわなくてはなりません。
 このような中で、一昨年度県では「千葉県建築物ユニバーサルデザイン整備指針」を策定しています。ユニバーサルデザインとは、「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢や障害の有無などに拘わらず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすることといわれています。
 すべての人が公平・平等に利用できるトイレ等の整備について、県はユニバーサルデザイン整備指針を活用して、市町村を指導し普及を図っていくべきであると考えます。