議会活動・活動報告バックナンバー

[2007年5月号]

人間関係を築く力の育成を

 子どもたち一人ひとりが充実した学校生活を送り、自ら夢と希望を持ち、未来に向かって多様な可能性を開花させ、充実した人生を送るために必要な力を十分に身に付けて欲しい。そして、倫理観や規範意識、しっかりした学力と人格、幅広い人間性と創造性、健やかな心身を身に付け、21世紀の世界に、大きく羽ばたいて欲しいと願うのは私ばかりではないと思います。

 そのためには、学校はもちろんのこと、家庭教育にも更に頑張ってもらい、また大人社会全体も、子どもたちの教育に真剣に取り組む必要があります。

 現場の先生方に聞きますと、「忙しくて子どもたち一人ひとりと向き合う時間がない」とか、「家庭教育や親の意識に問題があるケースが多くなっている」とか、「地域のまとまりが薄くなり、地域で子どもを育てる機運が低い」といった声が多く出されます。確かに、家庭や地域の教育力の低下は大きな問題だと思います。

 しかしながら、学校も、社会や住民の変化に迅速に対応し、絶えず創意工夫に努めているか、全教職員が教育のプロという自覚と責任を持って仕事をしているか、自問する必要もあるかと思います。

 先日発表された教育再生会議の第一次報告によれば、公教育再生の第一歩として、教育再生のための当面の取組として、七つの提言と四つの緊急対応を示しております。  私が特に注目しているのは、七つの提言の三つ目にある「すべての子どもに規範を教え、社会人としての基本を徹底する」という提言です。

 提言では、「近年、子どもの規範意識は低下し、国際的に見ても、我が国の子どもは自尊心に乏しいと言われています。子どもが命を尊び、自分の存在価値を理解し、家族、友、地域、国を愛し、豊な人間性をそなえられるよう、その前提として、健全な自尊心や他人に共感する心、人間関係を築く力を養います。」と謳われています。

 私は、まさに、この、「人間関係を築く力」が今の子どもたちに必要なことであると考えます。

 健全な自尊心や他人に共感する心、人間関係を築く力が養われれば、いじめや暴力もなくなり、一人ひとりの個性を伸ばせるようになり、授業中の学習態度にも向上が見られるようになり、その結果、学力の向上につながるものと思います。

 県教育委員会では、全国に先駆け、人間関係を築く力の育成に着目し、子どもたちの豊な人間関係づくりやコミュニケーション能力を育てるための「心の教育実践プログラム」の開発を進めてきたと聞いています。

 白井市の中学校一校と小学校二校において、専門的な研究機関と共同し、全ての先生・生徒が関わって作成しているプログラムだと伺っています。是非、十九年度には、県下の各小中学校で、このプログラムによる授業を実践していただきたい考えております。