議会活動・活動報告バックナンバー

[2007年10月号]

航空機宇宙(部品)産業の集積を

 21世紀に入ってから、ますます社会の変化が著しくなっています。国際化の進展、少子高齢化、人口減少社会への突入、そして、地域間競争の激化と格差の拡大等々、そういった課題に対応し、「持続的な強い千葉県経済」を実現するためには、本県の地域特性、現にある産業集積を活かした、ときには未来からの新しい発想による千葉県独自の産業政策を展開していく必要があります。

 本県でも、昨年6月、「千葉新産業振興戦略」を策定し、地域特性や強み、地域内外のネットワークを活かしながら、国際競争力のある産業の強化と地域資源を活用した産業の活性化を実現することを目的に、千葉県経済のリード役となる産業分野ごとに、新産業創出、企業誘致、人材育成等をより戦略的に実行していくための行動指針・千葉県独自の成長戦略として示しています。

 千葉県は、ものづくり産業では、鉄鋼・石油化学等素材型産業の集積では世界レベルに達しておりますが、私は、10年、20年後を見据えたとき、千葉県経済発展のために、さらなる振興と雇用の場を創出する新しい産業として、県内の産学官が一体となって航空機関連産業を誘致し育成して、その部品製造に携わる県下企業群の集積、航空機宇宙産業の集積も図るべきであると提案します。

 来年(2008年)就航する米ボーイング社の次期中型旅客機「787」を皮切りに、今後20年間の市場規模が300兆円と予測される航空機産業。国内でも、プロペラ機「YS11」の生産終了以来、約40年ぶりに官民挙げての国産ジェット旅客機事業が正念場を迎えております。経済産業省の後押しを受け三菱重工業が開発中の小型ジェット旅客機「MRJ」を秋から本格的に売り込み始め、来春までに事業化に踏み出すか決める方針とも言われています。

 航空機産業は、部品数が多く波及効果も大きなものがあります。そのため、国内でも、地域経済発展の夢を託し、今各地で熱い視線が注がれ、すでに秋田県や長野県、岡山県などの自治体では活発な誘致と育成策を打ち出し展開しています。

 わが千葉県は、世界への玄関としての成田国際空港を擁し、貨物取扱量国内2位の千葉港もあり、航空機部品の輸入と輸出に圧倒的に有利な地理的条件が整っています。また、空港周辺では、既に航空機を整備する事業もあります。まだ数は少ないが部品を作っている会社もあります。

 航空機とその膨大な種類の部品は、ハイテク技術とIT(情報技術)が結集され、高精度の加工技術が要求されます。次代を担う若者たちに夢とものづくりの場を与えることになと考えます。そして、県内とりわけ今後過疎化が進むと予想される県北東部の経済活性化にも役立つものと考えます。