議会活動・活動報告バックナンバー

[2012年3月号]

次世代型路面電車の導入を

 最近、LRT(ライト・レール・トランジット),次世代型路面電車システムが注目を集めています。地球温暖化防止の観点から、省エネ、二酸化炭素の排出が少ないことや、低床型で高齢者や、障害者なども乗り降りしやすいことで、環境にも人にも優しいからです。バリアフリーの面からの乗降の容易性、定時制、速達性などの面で優位な点を有しているといわれます。法的には、鉄道と違い、道路上を走る軌道法の特許に基づく軌道系交通機関と位置づけられています。既に路面電車が走っている都市でもLRTが導入されたり、路面電車が走っていない宇都宮市等でも導入が計画されています。

 昨年の9月議会で、私が所属する総合企画水道常任委員会で、質問しましたが、交通計画課としては、環境に優しく利用者本位の交通体系の構築を促進する観点からも、相当のメリットがある。交通の一つのツールとして、いろいろと検討すべきものではないかという答弁でした。

 県内では、導入を予定している自治体は未だないようです。しかし、LRTは、鉄道と違い、道路上を走るということで、LRTをまちづくりの中に位置づけて、道路をどのように造るかという中で、国土交通省においても都市づくりの一環としての補助制度、道路整備の面としての補助制度、それからLRTというハードに対する補助制度など、国土交通省では、3つの段階における補助制度があるとのこと。具体的には、この部分の支援が受けられるのではないかとのことです。

 問題点は、LRTは道路の上を走るわけですから、鉄道のように何もないところを走るのとは違い、都市づくり全般を考えなければいけないということ。具体的には、既存の市街地に新設する場合は、関係主体が相当数あること、道路をすでに利用している者や車がたくさん通行していることなど関係者間の合意形成やコスト負担、導入空間の制約など、特に都市部については問題が多いと思われます。

 そこで、昨年の11月、専門家(社団法人日本交通計画協会の職員)に船橋に来ていただき、私が想定するルートを視察してもらいましたが、LRTの導入は十分可能とのことでした。私が描く路線は、まずはJR南船橋駅を起点にららぽーと、大神宮下、本町通り、JR船橋駅、市場通り、東葉高速の新駅(仮称船橋中央駅)、医療センター、運動公園下、馬込斎場、東武野田線の新駅(仮称旭町駅)とつなぐものです。2つの新駅については、まちづくりも併せて考えなくてはなりませんが、京葉線、京成本線、総武線、東葉高速線、そして東武野田線の各駅をつなぎ、イケアやららぽーと、船橋大神宮、船橋の中心繁華街、医療センター、運動公園、馬込斎場等を通るので、かなりの集客が見込めるものと考えます。

 線路の敷設や電線の架線、電車の購入等に費用も掛かりますが、国の補助制度を利用すると4割程度負担してもらえるとのこと、利便性が向上することにより沿線の固定資産税増収も見込めること、高齢者が街に出て消費が増え地域経済が活性化すること、そして、LRTそのものに観光的価値があり、船橋漁港にフィッシャーマンズワーフを造れば、三番瀬や谷津干潟、ららぽーと等と相俟って船橋を観光都市として県内外から人を呼び込むことが可能となると考えます。