受動喫煙防止対策・眠育

受動喫煙防止対策について

 タバコの煙は、喫煙者だけでなくその周囲の人たちの健康へ悪影響を及ぼします。受動喫煙の害も20世紀のうちに科学的に揺るぎのない事実となりました。喫煙する人としない人では7年半から10年の寿命の開きができるという報告もあります。2009年初めて条例を制定した神奈川県では、1年後の調査で、県民の9割近く、喫煙者の6割近くが支持しています。2012年には兵庫県も制定しています。
 2020年の東京オリンピックには、本県でもレスリング、フェンシング、テコンドーの3種目が開催されます。近年の歴代オリンピック開催都市は、必ず大会までに受動喫煙防止法または条例を制定しています。厚労省「保健医療2035」策定懇談会は、2020年の東京オリンピック開催までに、受動喫煙のない「タバコフリー」オリンピックを実現することを目指すとしています。
 また、本県でも、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた千葉県戦略(案)の中で、外国人へのおもてなし力向上として、世界各国の生活習慣や食文化への配慮した、あたたかい「おもてなし」ができるよう、官民連携して取り組んでいくとしています。
 そこで本県でも、条例または宣言が必要と考えるがどうか、という質問を9月定例県議会で行いました。
 当局は、受動喫煙による健康影響は科学的に証明されており、たばこの煙から県民を守るため、受動喫煙防止対策を一層推進する必要があること。県では、旅館や飲食店など多くの人が利用する施設の管理者を対象とした研修会の開催や、禁煙週間を中心とした街頭キャンペーンの実施、赤ちゃんをたばこから守るためのリーフレットを母子手帳交付時に配布するなど、受動喫煙の防止に取り組んできたこと。今後は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた、国及び東京都の動向や、受動喫煙防止条例、受動喫煙防止宣言などの他県の取り組みも参考にしながら、効果的な受動喫煙防止対策について検討してまいります、という前向きな答弁が得られました。


「眠育」について

 睡眠教育略して「眠育」とも言いますが、学校のカリキュラムに取り入れ不登校などに成果を上げている学校が福井県などにあります。小学校で問題のない子供たちが中学校で不登校になる。その原因を突き詰めると睡眠が深くかかわっていることが分かったのです。教育者と専門医が初めて手を取り合い実現した眠育。不登校となった生徒は7年前は全国平均の4倍以上だったが、2013年には不登校ゼロになった。不登校は予防できることが証明されたのです。
 昨年1月、NHKのクローズアップ現代でも取り上げられましたが、一昨年度、小中学生の不登校は12万人。前の年より7千人増えています。原因として今、注目されているのが睡眠障害です。まじめに勉強や部活に打ち込む子供が突然、朝起きられなくなるといいます。睡眠障害が悪化すると脳の発達に影響を及ぼすだけではなく、糖尿病など将来にわたる病気のリスクも高まることがわかってきました。
 しかし、子供の睡眠障害に対する社会の考え方・認識は非常に軽いと言えます。こうした中、学校や地域ぐるみで睡眠への意識を高め、不登校をなくそうと取り組みも始まっています。A子さんは、中学に入ると塾通いが始まり寝るのは12時に。一方、起床は部活の朝練のため6時に早まりました。中学に入り、さらに1日2時間睡眠時間を削ってしまったことが起きられなくなった原因だとわかりました。睡眠不足がきっかけで分泌されるホルモンのリズムが乱れ、夜眠れなくなり、朝起きられなくなっていたのです。多くが部活動や塾が要因となっているとのことです。そして、年々、部活動や塾が深夜・早朝にまでおよび、まじめに打ち込む子供ほど睡眠障害に陥る環境が加速していると医師は指摘しています。
 「眠育」で、小学校卒業後に不登校になる生徒の数が5年間でゼロになったそうですが、やはり知識が大切。親に伝えて納得してもらい、子供も納得している。塾の先生とか、クラブ活動の指導者とか、こういう人皆が、社会で睡眠の知識を共有することが大切であるとのことです。子供は睡眠をきちんととらないと、将来を担う力を持てないということをもっと社会全体が知っておく必要があります。
 私の質問で、平成26年度において本県公立学校の、病気や経済的理由を除いた年間30日以上の欠席のある不登校児童生徒数は、小学校が1,158名で前年度より72名増加、中学校が3,963名で79名増加、高校は2,939名で94名増加とのことで、本県でも多数の不登校が明らかとなっています。「食育」の次は「眠育」だと考えます。本県でも、睡眠教育にもっと力を注ぐべきであると考えます。