官民格差の是正を/原発再稼働反対
官民格差の是正を
公務員の給与・ボーナスが、2年連続で上がる見込みとなった。そのため公務員天国が復活との声も出始めています。人事院は、毎年一部の民間企業の給与実態を調べ、民間との格差が広がった場合には公務員給与を引き上げるように勧告をしているが、国家公務員の給与に準ずる地方公務員も賃上げになることは必至とのことです。
しかし、船橋市内のタクシー運転手や中小企業経営者などに伺っても、景気は船橋まで来ていないという声が圧倒的です。民間との格差を埋めるためというが、それは東京のしかも一部の大企業に限った話です。
「日本全体では、景気も良くなっていないうえに、今格差が広がっている。貧困問題も拡大している。そんな時に公務員の給料を上げようなんて、だれがどう考えてもおかしな話だ」 と名古屋の河村たかし市長も憤っているとのことです。
人事院の調査対象となる民間企業は、2006年4月 前は、企業規模100人以上かつ事業所規模50人以上の事業所が対象でしたしたが、それでは実態とあまりにもかけ離れているとして、企業規模50人以上に引き下げられました。しかし、日本全国には約550万の事業所がある中で、50人以上の事業所は3%にも満たず、むしろ、1~4人の事業所が全体の半数以上を占めているのが実情です。
しかも、正社員の給与だけで、契約社員など非正規労働者は対象外。非正規労働者は、この10年間で1割も増えて4割だというのに。つまり、民間企業の中でも例外である大企業に勤める正社員というまれなケースで計算していることになり、民間の実態を正しく反映しているとは到底言えません。
元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏も、「本来であれば、国税庁が調べている1人以上の事業所の給与実態のデータを基準に使うべきだ。直近の国税庁による調査結果を見ると、民間の平均給与は414万円。超優良企業ばかりを調べている人事院の調査だと、これが480万円に膨れ上がる。国税調査を基に計算すれば、公務員給与は、本来は15%ほど減額しなければいけないことになる」 と言っています。
ちなみに、国税庁によると2011年の民間企業平均給与は409万円。県職員の平均給与は728万円。しかし、船橋市職員は、787万円で全国一でした。その後、国は、東日本大震災の復興財源を捻出するためとして、国家公務員給与を2年間7.8%削減し、千葉県や千葉市を含め、実に74%の自治体が、国の要請に協力して削減しましたが、船橋市は削減しませんでした。職員を大事にすることは、悪いことではありませんが、度が過ぎると、その分市民が犠牲になり、行政サービスもおろそかになります。
財務省は、昨年4月の財政制度審議会の財政制度分科会に提出した資料で、地方公務員、中でも地方の清掃職員、給食などの調理員、用務員などの給与が、民間に比べて1.5~2倍も高いと指摘し、民間並みの給与にした場合は1500億円の節減ができると。また、国家公務員の給料は地方公務員に比べて安いとして、地方公務員の給与には切り込むべきとしている。しかし、国家公務員の指定職(審議官以上のクラスの高級官僚)の給与を度外視している財務省の姿勢にも大いに問題があるといわなければなりません。
民間企業の社員は、いつ倒産やリストラに遭うかも知れないのに、公務員は手厚い身分保障があって、犯罪でも犯さない限りクビにならない。身分が保障されていうる上に、給与が高いのでは、公務員は優遇され過ぎと言わざるをえません。市民県民に奉仕する公務員が、県民から貪るようなことがあってはならないと考えます。したがって、公務員の給与は民間企業の平均、より厳密には平均未満であるべきであると考えます。
併せて、多すぎる知事報酬(東京、神奈川に次いで3位の2161万円)、議員報酬(6位で1470 円)も定数削減と併せて見直すべきです。千葉県競馬組合議会議員は年4回出るだけで77万円、あまりにも多すぎです。大胆な行財政改革に挑む埼玉県上田清司知事、県議会議員や市議会議員が浦和競馬組合議会議員を構成しているのですが、その議員報酬を59万1300円から8万4000円に引き下げています。
借金大国の日本で、公務員の給料だけが上がっていく。果てはギリシャとならないように、今からしっかりと公務員給与を削減し、官民格差を是正し捻出された財源を福祉の充実に充てるべきと考えます。
原発再稼働反対
7月31日から観測史上最長の8日連続で、東京都心は最高気温35度以上の酷暑に見舞われた。真夏の昼間は、エアコンなどで電力使用がピークになる時間帯だが、それでも電力は需給逼迫しなかった。最大電力使用率が90%前後で推移したのだ。2012年に始まった再生可能エネルギーの固定価格買取制度が追い風となり、太陽光発電が普及したからです。原発は、一昨年の9月から国内では1基も稼働していません。原発に頼らなくても日本はやっていけることが証明されたのです。
にもかかわらず安倍政権は、川内原発を再稼働させた。安保法案が成立すれば、国内の原発がテロの標的にされる可能性が格段に高まります。原発をゼロにすることは、政府の言うホルムズ海峡への自衛隊派遣などよりも、もっと身近な安全保障問題といっても過言ではありません。安保法案も廃案にすべきです。