集団的自衛権は極めて大きな問題

 集団的自衛権は、日本の将来を左右する極めて大きな問題です。にもかかわらず、安倍総理は、衆院選では、安保法制の整備に取り組むとして争点をぼかし、アベノミクスを前面に出した。安保法制の整備と聞いて、何のことか分かる国民はほとんどいなかったのではないでしょうか。昨年の7月1日、閣議決定で、集団的自衛権の憲法解釈を変更したのに伴い、自衛隊法など関連する法律を改正する、という意味です。集団的自衛権とか自衛隊法の改正とかいう表現だと、たじろぐ人も出てくることが予想されるため、こういうぼかした表現にして、争点化することを避けたといわれます。
 アベノミクス一本で選挙戦に臨み、勝ったら安倍総理の政策がすべて支持されたと言って、自衛隊法改正などに取り組むつもりなのでしょうが、とてもまともな選挙とは言えません。
また、数字の上からは圧勝であっても、実質的には首相の政権運営が確かな信任を受けたとはとても言えません。投票率は52,66%、戦後の最低記録を大きく更新し歴史的低投票率を記録。また、自民党の得票率は48%で、有効投票の半分以下。有権者の半分が投票して、その半分を自民党が獲得したに過ぎない。だから、自民党は有権者のわずか4分の1の支持しか受けていないことになるからです。
 民主党も、党内では意見が分かれており、野田前総理などは容認派、枝野幹事長らは反対派ということで、曖昧な態度に終始し安倍総理の政策を質すことができなかった。

 昨年、8月15日の「終戦の日」に寄せて、集団的自衛権行使について、私の考えを述べさせていただきました。以下、

 私は、自民党系の無所属ですが、ハト派の宮沢喜一元首相や福田康夫元首相の考え方に近い。7月1日、安倍内閣が憲法改正という正攻法ではなく、解釈改憲で、集団的自衛権行使容認を閣議決定した。これによって抑止力が高まると説明されるが、軍拡が軍拡を呼びかえって緊張感が高まるという見方もある。また、日本と密接な関係のある国が攻撃された時、その国のために戦い日本が攻撃を受ける可能性が出てきた。
 自衛隊の武力行使は、日本が侵略された時に限っているのが憲法9条です(専守防衛)。そのお蔭で、これまで自衛隊は戦闘で一人も殺さず、殺されることもなかった。
現役の自衛隊員の方々は、さぞかし真剣に受け止めていることと思います。自衛隊員の貴重な命が奪われるかもしれないのですから。だのに安倍総理の明確な説明がなされていない。
 自民党県連の元幹事長で、県議会議長も経験された市川市の金子和夫さん88歳は、安倍政権は首相に反対する人がいない点で、東条内閣より危険だ。自らは、16歳で戦地に赴き壮絶な体験をされたという。そして、戦争だけは避けなければならないと訴えています。
 自民党の中にも、宏池会や平成研究会を中心にハト派の議員が大勢いますが、反対の声を上げると次の選挙で不利に働いて、郵政民営化選挙の時のように公認がもらえず刺客を立てられることを恐れてか、ハト派の声が小さくなってしまったことは、残念と言わなければなりません。
 集団的自衛権については、もっともっと議論し、変更するなら、憲法改正手続きによるべきで、天下の自民党が、憲法を有名無実化するようなことをしてはいけないと考えます。